数十年ぶりに魚の骨が喉に刺さった話
秋深まると言うより、もう既に冬の足音が近づいてきた今日この頃。皆さんいかがお過ごしでしょうか?
8月に出産を挟みまして無事次女が誕生し、その関係でブログを立ち上げたは良いもののすっかり更新が途絶えてしまっておりました。
その次女も2ヶ月を迎え、早くも夜まとまって寝てくれることが多くなりました。そろそろ更新を再開して出産レポでも上げようと思っていた矢先にタイトル通りの事件が起こったのです。
きっかけはアジの塩焼き
我が家は義実家に同居ということもあり、魚離れが進んでいるという昨今には珍しく夕飯にはよく魚が登場します。
この日の夕飯は義母の担当。メインはアジの塩焼き。
2歳の娘が魚好きなので、子供の分を慎重に取り分けてから残りを私が頂くことにしました。全国の多くのお母さんがそうするように、娘がごちそうさまするのを待ってからようやくゆっくりと夕飯を食べ始めます。
娘が食べている最中はテレビが消してあるのですが、食べ終わると義母と主人がチャンネルの覇権争いを始めます。しかしこの日は日曜日。我が家全員で見られる数少ない番組の一つ、大河ドラマがあっていました。
普段テレビを見ない私も展開が気になり、ついついぼーっとしながら夕飯をつつきます。
そう、アジの塩焼きまでもぼーっとしながらつついていたのです。
あ、と思った瞬間にはもう遅い。気がつけば喉の左奥に違和感しかない。喋ろうものならえずくし咳は出るし。
やばい、やっちまった。
大人になって魚の骨が喉に刺さるなんて!
こんな時どうすれば良いんだっけ?などと混乱する頭で考えていたら、最初は単にむせているのだと思っていた様子の夫もえずく私にようやく異変を察知。どうした?大丈夫?と顔を覗き込んでくる主人に恥ずかしさと痛さをこらえて、魚の骨が喉に刺さったことを白状しました。
「大丈夫?○○病院に電話して、受診できるか訊いてみたら?」
「○○大学病院なら夜間でも診てくれる」
と言うのは主人とのやり取りを訊いていた義両親。すごい心配してくれる。
優しい。
ありがたい。
でもちょっと今恥ずかしいから放っといて欲しい。
そして魚の骨で大学病院に行こうものなら、義弟夫婦に言いふらされるのは目に見えています。
それは何としてでも阻止したい。
「ママ、痛いたい?(痛い痛い)」
と私の顔を覗き込む2歳の娘。涙目で頷く私。
優しい。
可愛い。
でも今はママをそっとしておいて。
「痛いたい?」と繰り返されれば繰り返されるほどに、主人に口の中をライトで照らされながら喉に刺さった魚の骨を探してもらう滑稽な姿を娘に晒す私は、痛いのと情けない気持ちで涙目に。
結局夜間診療を受診するという提案を全て断り、翌日の朝一で耳鼻科を訪ねることにしました。
耳鼻科の受付で恥ずかしさに耐える
「どうされました?」
「魚の骨が喉に……」
こぢんまりとした待合室に、私のひそひそ声がよく響きます。人が少ない分小さな声でもよく通ってしまうのです。なんと言うことだ。でも恥ずかしさと痛さに耐えてついにここまで来た!これでもう安心……と思った瞬間、
「何の魚ですか?」
……へ?
一瞬目が泳ぐ私。
しゅんとうつむき加減になりながら
「……アジです」
まさか病院の受付で魚の名前を口にする日が来ようとは。声が無駄に通ってしまう待合室で、喉に刺さった骨の痛さと羞恥心に耐えながら1時間ほど待ちました。
今思えばそんなに周りの人は気にしていないのではと思うのですが、このときは恥ずかしい気持ちでいっぱいでした。30代の大人がまさか魚の骨で受診するなんて、と。
それからは何事も無く名前を呼ばれ、無事アジの骨が摘出されました。
ただ取り出されたアジの骨が細いけれども2センチくらいある大物で、どうしてこれを飲み込んだの?という雰囲気が無いこともなかったような気がします。
「少し血が滲んでるけど、大丈夫だからね」
と言う先生の優しさが、開放感に満ちあふれている私の身と心に沁みました。
義実家に引っ越してきてまだ耳鼻科のかかりつけを持っていなかったけど、今度から耳鼻科は絶対ここを受診しようと思います。
先生ありがとう。
先生は私のヒーローだ。
そんな浮かれた気分でいた私ですが、魚の骨ごときで出費が2000円超え……支払時にはやはりなんとも言えない気持ちになりました。
甘く見てはいけない魚の骨
調べてみたら、魚の骨ってけっこう危ないみたいです。
下記の対処法はよくやりがちですが間違っているらしいので、魚の骨が喉に刺さってお困りになることがあればぜひ思い出してもらえると良いと思います。
魚の骨が喉に刺さった時の間違った対処法
- ご飯・またはおかずを丸呑み…骨がより深く刺さってしまう危険性があります
- そのうち抜けるからと長時間放置…炎症・腫れの原因に。場合によっては膿む可能性も
- 自分で取る…喉に刺さった魚の骨は、ほとんどの場合家庭用のピンセットや箸で取ることは難しいそうです。周りの粘膜を傷つける可能性もあるので、無理矢理自分で取ることは避けましょう
その他鯛などの太く堅い骨を持つ魚の場合、食道などから貫通して血管や心臓といった臓器を傷つけることもあるそうです。
骨の小さな魚の場合はあまり心配せずとも良いようですが、私のようにやせ我慢はせずにできる限りすぐに病院に行くか、まずは問い合わせてみるようにした方が良さそうですね。
実際私も2センチほどある骨の大部分が埋まってしまい、先端が少ししか見えていなかったとのことでした。昼頃までやせ我慢を続けていたら、より取れづらくなっていたかもしれません。
耳鼻科の領収書を確認すると、今回の受診は手術と言うことになっていたようです。やはり「魚の骨ごとき」などと軽く見てはいけないのでしょう。
そして私の場合は該当しませんでしたが、加入している保険によっては十分請求の対象となり得ることもあるそう。(点数が足りませんでした)心当たりがある方は、念のため保険会社に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
しかし何にしろ、もう魚の骨が喉に刺さるのは懲り懲り。喉の奥が気になって気もそぞろになってしまうので、できれば金輪際ご遠慮願いたいところです。
秋が深まり魚の美味しい季節ではありますが、大人でも意外と魚の骨に苦しむ方は多いようですので、皆様気をつけて食事を楽しんでくださいね。